経営資源が優先する経営戦略は マーケティング戦略よりも上位の戦略概念

経営戦略

経営戦略はマーケティング戦略よりも上位

経営戦略は、大学で教える経営戦略から、各企業の経営戦略に至るまで、いろいろあるにしても、

三大資源の「ヒト・モノ・カネ」を動かす経営者

立てる作戦です。

売れる商品を作るのも、売れるように売るのも、カネやモノやヒトを動かすのも、一朝一夕には実現しません。周到な作戦が必要です。

なので、マーケティングにしても、経営にしても、戦略という作戦が必要。ここまでは、お分かりになりますね?

マーケティング戦略も、経営戦略も、一般論として、営利を追求するための戦略ですから、

経営戦略と、マーケティング戦略の目的は一緒

です。しかし、経営戦略 = マーケティング戦略ではありません。経営戦略のうち、

人事(ヒト)や財務(カネ)はマーケティングに含まれない

からです。なので、経営戦略とマーケティング戦略の位置関係は、

経営 > マーケティング

になります。

マーケティング戦略は、ヒト・モノ・カネを動かす経営のための戦略ですから、経営戦略の下位に位置します。

階層の入れ替わりと共に戦略と戦術がスライドするという考え方に当てはめると、

経営戦略 > マーケティング戦 術

になりますし、戦略の集合体が、一つの戦略という考え方に当てはめると、

経営戦略 > マーケティング戦 略

となります。正誤の問題ではありません、どちらの解釈を採るのも自由です。このように経営戦略も、マーケティング戦略も、

目的・目標を達成するための作戦のこと

です。勝つための作戦を考えること。

考えることは、誰にでも出来ます。が、考えたことは、人によって違います。

その「考えの違い」が、会社組織ぜんたいへ及ぼす戦略を決定付けます。

マーケティングは、経営のための戦略ですから、

経営戦略がマーケティング戦略の上位

に位置します。不等式にすると、

経営戦略 > マーケティング戦術

となります。戦略と戦術は、階層の入れ替わりと共にスライドします。

わかりやすく、年数を当てはめてみると、

経営(五カ年)戦略 > マーケティング(一年)戦術

マーケティング戦略は。通常、一年単位で立てるからです。なぜなら、

「来年度は、広告費に幾ら、開発費に幾ら」

というように、企業は年度で予算を立てます。

予算あってのマーケティング・リサーチであり、予算あっての広告宣伝です。

安定している企業のマーケティング予算は、ほぼ例年通りにしても、一年ごとに、予算を割り振ります。

予算を、資金と言い換えれば、経営者には分かりやすいかも知れません。資金がなければ、あらゆる企業活動を停止せざるを得ません。最悪、倒産です。 なので、

資金が最優先する経営戦略はマーケティング戦略の上位

に位置しますが、マーケティング戦略が、経営戦略の上位に位置することはありません。

マーケティングが、戦略に位置すると、戦術は、

  1. 商品戦術
  2. 価格戦術
  3. 流通戦術
  4. プロモーション戦術

になり、プロモーションが戦略に位置すると、戦術は、

  1. 広告戦術
  2. 販促戦術
  3. 広報戦術
  4. 営業戦術

になり、営業が戦略に位置すると、戦術は(長期接触営業戦略の場合)

  1. 初会戦術
  2. 継続戦術

になります。以上のように、戦略は体系化できます。これが、事業戦略や、事業計画となると、話は別です。

事業計画は、三年後に減価償却という具合に、一年単位ではなく、数年先まで見通して立てます。

事業規模は企業によりけりで、年間売上1億円以下を新事業と見なさない企業もあれば、年間売上が数千万円でも新事業として位置づける企業もあります。

小規模なネット通販などが典型的ですね。

数億円規模の事業へ成長させる期待のない代りに、百万円前後のコストで、1~2年以内の短期に実現できますから。

一方、前者の場合、数億円の事業規模を見込んだ予算を投下しますので、減価償却まで数年かからざるを得ません。

このように、事業戦略や事業計画は、経営戦略と同様、複数年に及びます。

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