売上が増えると、経営者は喜びます。なぜなら、
資金(経営資源)が増える
からです。資金が増えれば、会社を潰すことなく、成長させられます。企業が成長すれば、成長して増えたぶんの利益を、社員へ、社会へ、自分へ、還元できますから、みんなが喜びます。一部の心なき経営者を除き、ほとんどの経営者は、
自社と関わる全ての人々の喜びのために
経営しています。もしも、それを
「偽善だ」
とか
「社長の給料が一番高いじゃないか」
との異議を唱えるのであれば、会社の運営が苦しい時に、どこかから5,000万円を借りてきて、
「この5,000万、使ってください」
と会社へ出資できますか?という話です。
できるのであれば、出資者(経営者)ですから、企業が成長すればするほど、高い給料を受け取ることができますし、それが資本社会。つまり、
経営の苦労とはカネの苦労
です。出資できなければ、残念ながら、経営に異を唱えることはできませんから、- 少しずつ変えてゆくか
- あきらめて、経営方針に則って働くか
- 辞めて自分で会社を興す
以外にありません。建設的な意見は具申できても、経営者よろしく「アーすべきだ。コーしろ」と経営判断を下すことはできません。
お金の苦労を、経営者と分かち合えてこそ、経営者として、経営に参加できます
それは、家政(家庭)も同じことで、何も難しい話ではありません。経営も家計も、
カネさえあれば、90%の問題は解決します
が、カネがなければ、余計な問題まで噴出してきます。経営に喩えると、カネ(資金)さえあれば、売上が無くても会社は倒産しませんが、カネ(資金)が無くなれば、倒産あるのみ。
たとえ儲かっていても(一億円の手形を持っていても)、今月の電話代を払えなければ、電話が止まってしまうのと同じです。
給料も、交通費も、全て、です。それは、経営者にとっても、従業員にとっても、最悪の結末。
しかし、カネ(資金)さえあれば、倒産を免れるどころか、成長するための資源に使えますから資金を貯めようとしますし、貯まった資金の中から、
「これくらいなら、固定費に回せる」
と経営判断した金額が、人件費等の固定費に回るため、
昇給は、最後の最後
になります。経営が苦しいからといって、給料を減らすわけにはいきませんでしょう?
これが、もしも、社員の喜ぶ顔が見たいという人気取りで、売上金を、そっくりそのまま、給与へ回してしまったら、売掛金が回収できなくなった等のイザというとき、またたく間に、経営不振に陥ってしまいます。
だから、流動資産(一年以内に現金化できる資金。たとえば、預金)を増やそうとします。
経営で最も大切なのは資金(お金)であり、 経営の苦労は、お金の苦労であることが、お分かり頂けましたか?