営業戦略をテンプレートに書き込んでみよう
1.営業戦略は計画的に。体系的に。長期的に。
営業戦略は、戦術ではなく『戦略』ですから、
- 目標を達成させる計図があり【計画性】
- 戦略を実現させる各戦術が、時系列で並んでいて【体系化】
- 一年以上に及んで推移する長期的な作戦【長期的】
の三項目が必要ですね?
企業の決算は一年ごとですから、将棋一局の戦略とは異なります。基本的に一年間。平たくいうと、
- 【計画性】こうすれば売り上げるプランが、ありますよ~♪
- 【体系化】1つ2つのプランじゃありませんよ~、時系列に、次から次へと、各戦術が、控えていますよ~♪
- 【長期的】行き当たりバッタリの作戦じゃありませんよ~♪営業現場という戦場で、戦士たちが、右往左往しなくてもいいよう、一年先まで、ちゃんと考えていますよ~♪
ということで、それをテンプレートにすると、下記のような体系図になります。
まず、テンプレートの一番上に、
その営業戦略は、一言でいうと、何なの?
という、新卒社員にでも理解しやすい戦略名を書き込んで下さい。それが、
- エレベーターピッチで(短い言葉で)
- 誰にでも(たまたまたエレベーターに乗り合わせたビルゲイツさんにも)
- 10秒で伝えられる
- ライバルとは異なる、
貴社オリジナルの、あるいは、あなたオリジナルの戦略体系になります。
次に、テンプレートの二段目に、
- 知らせる戦術
- 売る戦術
を書き込んで下さい。なぜなら、最少の戦略工程は
- 知らせて
- 売る
だからです。知らなければ買いようがありませんし、売ってなければ買いようがありませんね?
そうして、二つに分けたら、次は、四つに分けましょう。
左から、時系列で、AIDAの法則に則り、
- 知らせる
- わかってもらう
- すすめる
- 売る
四つの各戦術を、テンプレートへ流し込んで下さい。AIDA理論に則っていることが大事ですから、戦術の詳細までは必要ありません。
戦術は、戦略を実現するための具体的な作戦
ですので、戦略とは異なり、戦術のフレームワークやテンプレートは無く、下図のような、フレキシブルな作戦図になります。
ご参考までに、筆者が開発した接触営業戦略を、テンプレートに流し込むと、こうなります。
営業戦略のテンプレートへ書き込むには、営業戦略の基礎を知る必要がありますので、下記、おさらいしておきましょう。
2.営業戦略の基礎
営業戦略の基本は3つ。
漁業型の営業戦略フレームワーク①知らせる→④売る
知らせて→売る営業戦略は、チラシ等でよく見かけますね?メーカーのディーラーヘルプス(卸や小売店支援)を目的としたTVCMも、漁業型の戦略です。
林業型の営業戦略フレームワーク①知らせる→③すすめる→④売る
BtoB(企業間取引)の新規営業によくありがちな営業戦略です。売ることを目的とした戦略ですので、
「もしも、売れなかったら?」
という発想に欠けます。すると、
- 少ない見込み客へ、しつこく売り込んだり、
- せっかく告知できた潜在需要のある見込み客に接触しなくなり
- また一から新しい告知先を探す
ことになります。これは、名刺交換できた、数万円以上の営業コストが、無駄になりませんか?
農業型の①知らせる→②解らせる→③すすめる→④売る
①~④に時間の概念は関係ありません。
30分で売れることもありますし、1年かかることもあります。
農業型は、売れなくても接触を続けますので、顧客の母数が増え続けます。
顧客の母数が増えるということは、シンプルに「売れる」ということです。
3.売上増のための戦略か?顧客増のための戦略か?決める
営業戦略を立てるというと、通常、売上を増やす=商品を売るために立てます。
そこに落とし穴があります。商品を売るのであれば、
商品力に任せた林業型の営業戦略
が適していて、商品力(売れる商品)と企業力(法人の信用)で売るため、営業マン個人の信用が欠けていても、商品は売れます。
商品力さえあれば、営業マンは誰でも構いません
新人等の営業マンを育てる必要はありません。
営業職に適した人材のみ自動的に残ります。
営業マンが誰でもいいのであれば、特定の人物である必要はありませんから、歯車のように、替えは、いくらでもあります。
高給を提示した求人募集で、
替えの人材を補充し続けられるかどうか?の財力勝負
です。その財力がなければ、残念ながら、「人材に乏しい」と嘆くことになりますが、資本主義の宿命です、仕方ありません。
商品を売る営業戦略だと、信用を得て顧客を増やすよりも、売上ほしさに、商品を売りますから、顧客が増えても、離れていきますし、営業マンは育ちません(もともと才能がある人以外)。つまり、
売上金を得る戦略か?顧客を得る戦略か?
の判断で、商品力がライバルと大差なければ、営業マンなぞ誰でもいいというわけにはいきません。営業マンを育て、
「あの営業マンがいる会社から買う」
と言わしめることです。営業マンが自分を売る戦略を採るならば、
営業マンを育ててから売る戦略より
営業マンを育てながら売る営業戦略
が適しています。営業マンを育てるのならば、教えてあげてください、信用を売る戦略を。
4.テンプレートに書き込んで(見せて)教えてあげよう
こちら(外部サイト)http://service.jinjibu.jp/news/detl/417/の調査結果によると、
社長や役員が、営業の第一線で活躍している企業の93.5%は売上不足と感じている ようで、そのうち
77.8%は経営陣が第一線から「離れるわけにはいかない」
と思っているそうです。なぜなら- 「マネジメント層が不足しているから」
- 「社員の成長が、遅いから」
- 「優秀な人材を、採用しにくいから」
と「経営陣は考えているから」だそうです。
経営者が、トップセールスだと、営業力が低下し、売上は伸びなくなるとは、皮肉なものです。
そうしますと、売上を伸ばすには、
社員の営業能力を伸ばす
他ありません。社員の能力を伸ばすには、教えなくてはなりません(自発的に勉強するのは、たとえば、営業本を買って読むのは、1,000人に1人です)
そんな現実の中で、社員の能力を伸ばすためには、あなたの会社の
営業戦略をテンプレートに書き込み
暗黙知を、形式知にして、教えてあげて下さい。
ご自分の頭の中にある知識を、他人へ伝えるには、話すか、書き表すのみ。他に手段があるとしたら、テレパシーですよね(笑)
[完]