七つの営業機能を把握して業務を改善
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営業活動は、契約のみ特化した時間配分が、理想的ですよね?
朝から晩まで、受注(契約)のみ集中できたら、どんなに売上は伸びるでしょう?
しかし、どうしても、営業に伴う業務が発生します。
その、営業の業務とは?
営業の業務例[1]売ることは営業機能の六段階目
新規開拓から始まる営業活動には、受注(契約)交渉へ至るまで、5つの機能があります。
販売機能は、6段階目。
営業活動は、1~7段階全部ですから、販売のみ(六段階目だけ)ではありません。一覧表にしますと、
- パブリシティ機能(告知紹介)商品の告知。「こんな商品を売っています」と知らせること
- サーベイ機能(発掘探索)見込み客の発掘。新規客になりそうな擬似客を探して、記録して、再接触に備えること
- コンタクト機能(接触継続)①覚えてもらうため ②信用してもらうため ③受注するために接触を繰り返すこと
- リサーチ機能(問題発見)お客さまが抱えている問題や、希望、願いを見つけ出し、それで正解かどうか確認すること
- プランニング機能(問題解決)希望が叶って満足しうる方法を伝えること。主に自社の取扱商品で。
- セールス機能(販売契約)商品と代金を交換すること。
- フォロー機能(再販再訪)関連商品も売ること。継続受注すること。新規客を優良顧客化すること。
一般的には、以上の7段階が、営業活動の機能です。(もちろん、例外も沢山あります。再発注のみで売上100%を支えている等)
1~6の六段階に時間の概念は無関係
初会で、いきなり、六段階目の「セールス」へ至ることもあります。
一般的には、六段階目のセールス活動を、営業活動と解釈している向きが多いようですが、それはそれで自由。各社それぞれの解釈です。
ただし、販売(6段階目のみ)と、営業(1~7段階)を、混同したままですと、売ること(六段階目)が、セールスだと勘違いしてしまいます。
営業=販売ですね。このように、ひとくちに営業といっても、
契約へ至るまでには、6つの機能
があり、販売後のフォロー(7段階)までを、
- すべて一人の営業マンで担う営業部もあれば
- 担当ごとに分ける営業部も
あります。たとえば、宅配便のセールス・ドライバーのように、電話の受付を、ドライバー個人の携帯電話へ集約させるほうが、
エリア別では機動力が出て
効率的ですよね?しかし、エリアが無関係なのに、何もかも一人の営業マンへ集約させると、売上金を稼ぐ重要なポジションの営業マンが、
雑用係になってしまう危険性
がありますので、営業マンには営業マンの仕事(契約)をしてもらうために、六段階目の受注・契約・販売以外は、別の担当者が分担し、営業業務の効率化を図るやり方もあります。たとえば、
OJTの名のもとに、新人を、先輩の付け人に
して、営業の雑務は、新人の仕事にして(新人教育、社員教育にして)いる企業も多いようです。
業務の改善例[1-1]営業マンの負担を軽減する組織
営業業務を分掌化して、営業マンには、販売の仕事(契約・受注)をしてもらうために、
- アウトバウンド(電話サーベイ)をテレマーケティング会社へ外注し、
- アポイントが取れた場合のみ営業マンが動く仕組みや
- 飛び込み訪問は外部の営業会社(やアルバイト)に任せ
- 二度目の訪問は自社の営業マンに
任せている企業があります。ただし、これでは、テレマーケティング会社や、営業会社への支払いが多くなってしまいますから、
- 社内にアポインターを雇って、テレアポと、セールスを分離している企業や、
- 営業マンが効率的にアポイントを取るために、リストを社外から買っている企業や、
- 営業活動そのものをセールスレップや営業代行へ外注している企業
等があります。それらの中には、
- 新規客の獲得は外注
- 既存客の維持は社内の営業部
というように分け、
- 社内の営業(中小企業の主に社長)は、接待係(ゴルフ等)
- 営業マンには新規開拓を担当させず、新規獲得は広告(人間以外)を用い
- 営業マンは事実上の配達係(ルートセールス等)
このように、外注を利用して、営業機能を分掌化し、営業マンの負担を軽減している組織は結構あります。アウトソーシングでしたら、専任社員を雇用して人件費を固定費化にするよりも、経営負担が少なく済むメリットがあります。
営業の業務例[2]書類作成は営業マン以外に
営業の業務は、業種業態によって、様々ですが、どこの営業部にも共通するのは、
見積書や請求書等の書類の作成
です。取引金額の合意あっての契約(受注)ですから、一部の例外を除くと、見積書は必須ですし、請求書を出さなければ、入金がありません。
事務処理は、どうしても付きもの
です。その見積書を作る間、営業マンは、外回り(受注活動)を休止し、机の前に座っていなければなりません。
また、見積り金額が大きくなればなるほど、見積書の作成に費やす時間は多くなります。そこで、事務を分掌化し、それらの事務処理を営業事務職に任せ、営業マンから解放してあげる戦略を布いている企業は少なくありません。
業務の改善例[2-1]事務は内勤社員に
建設会社の中には、見積部という部署を作り、営業マンに代って見積書を作成し、営業業務を援けています。ゼネコン級のプロジェクトでなくても、ある社員数名のソフト開発会社では、見積書と請求書の作成を、営業の業務に任せ、たった一人の
営業マンが直行直帰できる体制
を整えています。たった一人の営業マンは、中小企業の社長が多い模様で、
「こういう見積書を作ってくれ」
と、出先から、電話や、メールで、業務&経理&総務&電話番の内勤社員へ指示を出し、外回りの時間を確保しています。
「どうして出社しなければならないのか?」
という意味を突き詰めて考えると、通勤時間を省くことで、時間を有効利用する企業もあります。時は金なり。
営業の業務例[3]納品業務を営業活動に含める
通常は、受注した商品を納入して、一連の受注活動(営業活動)が終結します。納品物のサイズが大きければ、納品(運搬や設置)作業を外注せざるを得ませんが、納品物が小さい場合、納品業務を、営業マンが兼務する企業もあり、
納品機会を深耕のチャンス
と考え、営業活動と、納品業務を、一体化している企業もあります。深耕(七段階目)を戦術化し、営業マンと雑用係が混同しないようでしたら、納品は、貴重な接触チャンスになります。
営業の改善例[3-1]納品は専任
上述のように、納入=顔出し(営業活動)と解釈し、納品を、セールスの一環とする企業もあれば、納品をセールスと切り離し、
専任の配達スタッフに任せたり、宅配便に任せたりする
会社もあります。
- 注文が入ってくるのを待つ「待ち受け営業」や、
- 既存顧客の注文を聞いて回る「御用聞き営業」
でしたら、納入=営業活動になりますから、営業マンが、納品業務を兼務するのは効果的です。たわいのない雑談の中に、継続の注文が含まれることもあるからです。一方、
新規顧客の開拓に重きを置く企業では営業活動=新規回り
ですので、業務担当が、納入を手配したり、業務担当が、自ら納入して、セールス部隊を支援しています。
[営業の業務と改善]まとめ
営業の業務というと、
- 電話番や、
- 資料送付や、
- FAX送信など
営業事務を指す場合が多いようですが、
事務よりも業務のほうが役割は広域
で、業務の役割は、コンタクト・ポイント(顧客接点。旅館に例えるならば、仲居さん)である重要な営業マンに、
契約交渉に専念できる時間を確保させてあげること
です。ある統計によると、営業マンが契約交渉に割ける時間は、一日の1/10だそうですから、1日の勤務時間帯が10時間と仮定すると、六段階目の販売・契約活動できるのは
正味たった一時間
しかありません。どうしても移動時間は避けられませんので、残りの9/10を、
- 移動や
- 会議や
- 業務や
- 事務処理
に費やしている模様です。もちろん、平均値ですから、もっと多い営業マンもいれば、少ない営業マンもいるでしょうが、いずれにしても、契約交渉という貴重な時間を、
一分一秒でも確保
してあげて、営業成績を高められるように支援するのが、営業業務の役割です。その内容は、各社の
営業戦略によって異なります
から、経営者が、どんな営業戦略を採用しているか?各企業の営業体制によって異なります。
[完]