ひとくちに、保険の営業活動といっても、地域に根ざした健全な保険会社もあれば、強引なセールス員もいます。
もちろん、生活するには、お金が必要ですから、給料を目的に働くのは当然ですし、経営するには、資金が必要ですから、資金を借りるか、稼ぐしかありません。
稼ぐために、保険や金融という商品を販売しています。
ところが、お金が目的になると、お客さんから、お金を受け取ったら、もう、お客さんに用はありませんから、既存客(OB客)へフォローしなくなりがち。
カネの切れ目が、縁の切れ目になる営業戦略です
給料が目的になると、もっと給料の高い会社があれば、去っていく社員も入社してきます(社員教育や募集広告が無駄になります)
かくいう経営者も、資金(お金)がほしいので、
- 経営者「売上を増やせ」
- 営業部長「保険や金融商品を売ってこい」
- 営業社員「お願いします、保険や金融商品を買って下さい」
と、全社を挙げて、売上(お金)ほしさに、保険や金融商品を売ります。
売上目的になると、営業活動の目標値は、
- 単価
- 数量
- 件数
- 利益率
- 納期
になり、お客さんという数字は存在しなくなります。
これぞ、顧客満足が、絵に描いた餅になりやすいカラクリです。
さらに、契約が早ければ早いほど、早く入金されますから、
- 昨日「今、売れ!もっと売れ」
- 今日「今、売れ!もっと売れ」
- 明日「今、売れ!もっと売れ」
と、今日明日にでも契約しようと、売り込んでは嫌われます。
売りこまない営業が難しいのは、
経営者や営業幹部が「売れ!」と命じるから
です。それが間違っているのではありません。月末までに、必要な現金が足りない経営者の心労は、痛いほど分かります。
- 「仕入先へ、支払う代金が足りない」
- 「従業員へ、支払う給料が足りない」
- 「手形が、不渡りになりそうだ」
そんな時は、銀行強盗してでも、現金を手に入れたいでしょう。
気持ちは分かりますが、売り込むだけが営業活動ではありません、
待つの「も」営業活動
です。営業活動は七段階に分かれます。
順調な経営であっても、企業は営利追及団体ですから、リフォームや建築を売るのは当然ですし、売上がなければ、企業活動し続けられませんから、
「売上目標○○円を達成せよ」
と、お金の数字を追い、
「新規客を増やせ」
と激を飛ばすのも当然です。
企業は、伸びれば伸びるほど、さらに資金が入用になりますので、新規客という名の、新しいお金が、もっともっと必要です。
ライバルを含めた殆どの企業が、そうであるように、みんな、お金ほしさに商売しています。
それはそれで構いませんが、では、
最強の新規営業は、紹介
であることが周知の事実なのに、どうして、
「紹介者を増やせ」
と命じないのでしょう?(紹介者は、お金を払ってくれないからですよね?)
既存客(保険に加入した既存客)は有力な紹介者たり得る
のに、どうして、
「既存客を増やせ」
と命じないのでしょう?(代金を受け取り済みだからですよね?)
やっぱり、お客さんよりも、売上(お金)優先ですか?
では、なぜ売り上げなければならないのでしょう?(あなたの答え_____)
その売上金は、誰から頂くのでしょう?
いわずもがな、お金を払ってくれるのは、お客さんです。
お客さんは、金の卵を産む、金の鳥
です。金の鳥を大切に育てずして、どうして、金の卵だけ手に入れられましょう?
金の鳥が、
命の次に大切にしている金の卵
すなわち、財産だけを奪おうとするから、金の鳥から嫌われます。
ほとんどの訪販営業は、それをやっています。(あなたの会社は?)
これから、あなたが、お金さま優先ではなく、お客さま優先で経営するのであれば、
売上や利益の意味を社員向けに翻訳
して、
「新しいお客さんを紹介してくれるかも知れない疑似客を○○人増やせ」
と、お客さんの人数を追うのが正解ですし、
「既存顧客の流出を阻止せよ。ライバルに奪われるな」
と、顧客数を維持して、その中から優良顧客を増やすのが正解ではありませんか?
では、ご健闘を祈ります(-人-)
[完]