ここから先は、小さな工務店の社長 (社員10人前後で売上高5億円未満のワンマン経営者)へ向けての、
経営戦略のアドバイス
になります。
「
住宅リフォームの営業活動でお客さんを増やすには」から続きます。(直接客、間接客の意味が分からない場合は、こちらから先に御覧ください)
ひとくちに、工務店といっても、
- 地域に根ざした健全な工務店もあれば、
- 詐欺まがいのリフォーム業と結託した工務店もあって、
このアドバイスが役に立つ場合と、役に立たない場合に分かれます。 役に立たない場合とは、
経営者も、営業社員も、お金だけが目当てで営業活動している場合
ですので、
悪質工務店
には役立ちません。
もちろん、生きていくには、お金が必要ですから、給料を目的に働くのは当然ですし、経営するには、資金が必要ですから、資金を借りるか、稼ぐしかありません。
稼ぐために、新築や、注文住宅という商品を販売
しています。その販売目的が、お金になると、お客さんから、お金を受け取ったら、もう、
お客さんに用はありません
から、既存客(OB客)へフォローしなくなりがち。
カネの切れ目が、縁の切れ目になる営業戦略
です(なぜ、あの営業マンが、顧客をフォローしないのか、お分かりになりましたね?)
給料が目的になると、もっと給料の高い会社があれば、去っていく社員も入社してきます(社員教育や募集広告費が無駄になります)
かくいう経営者も、資金(お金)がほしいので、
経営者「売上を増やせ」 ↓
営業部長「注文住宅を売ってこい」 ↓
営業社員「注文住宅を買って下さい」
と、全社を挙げて、売上(お金)ほしさに住宅建築を売ります。
売上目的になると、営業活動の目標値は、
- 単価
- 数量
- 件数
- 利益率
- 納期
になり、
お客さん(直接客や間接客)という数字
は存在しなくなります。これぞ、顧客満足が、絵に描いた餅になりやすいカラクリ。
さらに、契約が早ければ早いほど、早く入金されますから、
- 昨日「今、売れ!もっと売れ」
- 今日「今、売れ!もっと売れ」
- 明日「今、売れ!もっと売れ」
と、今日明日にでも契約しようと、売り込んでは嫌われます。
嫌われるくらいなら、売り込まなければいい
のと違います?売りこまない営業が難しいのは、
経営者や営業幹部が「売れ!」と命じるから
です。
つまり、営業戦略は、社員が決める作戦ではなく、いつまでに売るかを経営者が決める作戦で、社員が決める作戦は、戦略の実現化=戦術です。
売れと命じられた営業マンは、
値札の付いた商品
を売りに走ります。それが間違っているのではありません。月末までに、必要な現金が足りない経営者の心労は、痛いほど分かります。
- 「仕入先へ、支払う代金が足りない」
- 「従業員へ、支払う給料が足りない」
- 「手形が、不渡りになりそうだ」
そんな時は、銀行強盗してでも、現金を手に入れたいでしょう。気持ちは分かりますが、売り込むだけが営業活動ではありません、待つのも戦略です。
戦略のセールスフローは七段階
に分かれます。順調な経営であっても、企業は営利追及団体ですから、住宅や建築を売るのは当然ですし、売上金や利益がなければ、企業活動し続けられませんので、
「売上目標○○円を達成せよ」
と、お金の数字を追い、
「新規客を増やそう」
とするのも当然です。企業は、伸びれば伸びるほど、さらに資金が入用になりますので、新規客という名の、新しいお金が、もっともっと必要です。
ライバルを含めた殆どの企業が、そうであるように、みんな、
お金ほしさに商売
しています。それはそれで構いませんが、では、
最強の新規営業は、紹介
であることが周知の事実なのに、どうして、
「紹介者を増やせ」
と命じないのでしょう?(紹介者は、
お金を払ってくれないからですよね)
既存客(OB客=経験者)は、有力な紹介者たり得る
のに、どうして、
「既存客を増やせ」
と命じないのでしょう?(
代金を受け取り済みだからですよね)
やっぱり、お客さんよりも、売上(お金)優先ですか?
では、なぜ売り上げなければならないのでしょう?(答え_____)
そもそも、どうして売るのでしょう?
その売上金は、誰から頂くのでしょう?
いわずもがな、お金を払ってくれるのは、お客さんです。
お客さんは、金の卵を産む、金の鳥
です。金の鳥を大切に育てずして、どうして、金の卵だけ手に入れられましょう?金の鳥が、
命の次に大切にしている金の卵=財産
を、突然に訪問して、その日のうちに奪おうとするから、金の鳥から嫌われるのではありませんか?
ほとんどの訪販営業は、それをやって、嫌われています。
あなたは、どうでしょう?
これから、あなたが、お金さま優先ではなく、お客さま優先で経営するのであれば、
売上や、利益の意味を、社員向けに翻訳
して(それ以前に、売上とは何か?利益とは何か?従業員の皆さんに、理解してもらって)
「新しいお客さんを紹介してくれるかも知れない間接客を○○人増やせ」
と、お客さんの人数を追うのが正解ですし、
「既存顧客の流出を阻止せよ。ライバルに奪われるな」
と、顧客数を維持して、その中から優良顧客を増やすのが正解ではありませんか?
では、ご健闘を祈ります(-人-)