住宅リフォームは 数少ない成長市場
2016年に発表された5年に一度の国勢調査によると、現在の日本は、5年間で約100万人ずつ 人口が減っています。
人口が減るということは、お客様の数も減っていくということに他ならず、お客様の母数となる人口が減るということは、あらゆる国内の産業が衰退します。
そんな中、約8兆円市場のリフォーム産業は、前年比10%で、
1.ゆるやかに成長する有望な市場
です。ゆるやかどころか、政府は、2010年発表の新成長戦略で、国交省の資料よると、
- 中古住宅や 住宅リフォームの市場を 20兆円まで倍増させる
- GDPに占める住宅の投資率を 3%から 5%へ(2%も!)増やす
と表明しているように、住宅リフォームは、これから有望な数少ない成長市場。 ぶっちゃけ、儲かる市場です(2016年現在)
異業種が参入してきて 競争が激しくなるリフォーム市場
ただし、儲かるからといって、飛ぶように売れるか?というと、そうは問屋が卸しません。
売れる市場には、必ず、異業種が参入してきます。
現に、アマゾンドットコムが、リフォームの通販を始めました(2015年6月)
2.インターネットで異業種がリフォームを売り始めた
元年だったといっていいかも知れません。無店舗のインターネット通販は、店舗がなく、看板もなく、目に見えませんので、 あなたのお客さんが、いつ、どこで、奪われていくか分かりません。
儲かる市場には、みんな群がります(そういう市場を、レッドオーシャン市場といいます)
さらに、
3.大手ハウスメーカーもシェアを拡大
しようとするのは真っ当な企業活動。異業種のみならず、同業のライバルたちも、シェアを広げようと、攻勢を強めてきます。特に、
- 知名度
- ブランド力
- 財力
- 規模
- 信頼性
等の強みを背景にした大手ハウスメーカーが積極的で、現在(2016年)は、
リフォーム案件は地域の工務店が減少しハウスメーカーは7.9%の増加
とはいえ、金額の大きなリフォームはハウスメーカーへ、 金額の小さなリフォームが工務店へ流れているようで、富士経済の調査レポートによると、 工務店の売上がマイナス8.7%の減少に対し、ハウスメーカーは7.9%の増加となっています。リフォームというと、
キッチン、トイレ、バスの入れ替えや増改築がベスト3
ですが、外壁、屋根、門扉といったエクステリアから、建物を骨組み状態に分解し、大規模に作り直すスケルトン・リフォームまで、広範囲に及びます。従事する事業者も、
- リフォーム専業
- 専門工事業
- 地元の工務店
- ハウスメーカー
- ゼネコン
- 不動産デベロッパー
- 建材メーカー
- ホームセンター
- 家電量販
- 太陽光やオール電化等のエネルギー供給事業者
まで多岐にわたります。それら
リフォーム案件の約50%を、地元の工務店が請け負っている
とはいえ、売上高は、全国規模のハウスメーカー系列企業が市場の上位を占めています。つまり、
マイナス8.7%の工務店 vs プラス7.9%のハウスメーカー
ですから、だいたい、工務店の売上が減ったぶんだけ、ハウスメーカーの売上が増えた差し引き勘定になります。
このように、儲かっているのは大手ハウスメーカーで、中小の工務店は、むしろ、苦戦しているのが実状。ハウスメーカーの攻勢を前に、ますます苦しくなっていくに違いありません。
4.いつの時代も中小企業から淘汰される
のは時代の趨勢。戦後、80%もの豆腐屋さん(10軒中8軒!)が消えて無くなった豆腐業界と同様に、
中小零細から淘汰されていく
のは、どこの業界も一緒なのが現実で、住宅リフォームも例外ではなく、資金力に乏しい中小零細から淘汰されていくのは止むを得ません。
では、中小の工務店、リフォーム専業、内外装工事、住宅設備、建築、建設会社が、
- 廃業せずに
- 倒産せずに
- 転職せずに
勝ち残るには、どうすればよいのでしょう?
5.誰に売る?から考えるリフォーム営業戦略
このページを御覧になっている多くの訪問者さんが、
- リフォーム 営業
- リフォーム 営業 方法
- リフォーム 営業 コツ
- リフォーム 営業 質問
- リフォーム 戦略 戦術
- リフォーム 売り込み方
- リフォーム 事業 経営
- リフォーム 建設 建築
等で検索していますから、みなさん「リフォームを売りたい!」と思っていらっしゃるでしょう。そこで、基本的な質問。あなたは、
どうしてリフォームを売りたい
のですか?お客さんから、そう問われたら、何と答えます?
給料のため?
お客さんは、あなたの給料のために、お金を払うんじゃありませんね?
今ひとつピンと来ない?
では、反対に、あなたの自宅へ
「〇〇を買って下さい。お金が欲しいので」
というセールスが来たら、どう思います?
「利益が欲しいのか?よしよし!買ってやる」
と思いますか?それどころか、
「なんで、あんたを儲けさせるために、大切なお金を、渡さなきゃならんのじゃ」
と思いません?
それに、稼ぐために売るのでしたら、中小の工務店や、リフォーム会社ではなく、大手ハウスメーカーへ就職したほうが、儲かるリフォームを受注できますよ?
これこの通り、どうしてリフォームを売るのか?そこ(理念)から考えておかないと、
「稼ぐには、だましてでも売る」
と、悪質商法ばりのテクニックへ走ることになる………とはいいませんが、
- チラシだぁ、
- ホームページだぁ、
- セールストークだぁ、
売りのテクニックに走ることになります。
(そんなテクニックを紹介しているサイトがゴマンとあるのは、ご存じの通り)なので、先ずは、
どうしてリフォームを売るのか?
お客様や、社会の求めに応じて営業している理念を、50文字にまとめてみて下さい(50文字なら10秒で話せます)
まとめましたら、先へお進みください。
さて、リフォームを売る理由が決まったら、次に、
誰へ売りたい
のですか?誰に営業したいのでしょう?
「誰に売るって、お客さんに決まっているだろう」
って?ここから先の戦略編は 、悪質商法まがいのリフォーム屋さんには向きませんので、
「だましてでも売りつけよう」
と考える方は、小手先のセールストークで売る方法が載っている他のサイトを御覧になったほうが役に立つはずです。
お客様との信頼関係を築き、長期的に、戦略的に、紹介を増やしたい方のみ、先へお進み下さい。
(ここまで半分くらい読破しました)
6.誰に住宅リフォームを売る?顧客戦略
まずは下表【1】を御覧ください。ひとくちに「お客さん」といっても、直接客と間接客に分かれます。
表【1】
間接客という概念は、拙著『売り込むな!期待をくすぐれ!』に書いてありますように、お客様には、
- X)お金を払ってくれるお客様 = 直接客 と
- Y)お金を払ってくれないお客様 = 間接客
の二種類がいて、通常、お客様というと、
- X-A)まもなく買う、あるいは、ただ今お取引中の現在客(= 現在の直接客)
- を指します。以下の、
- X-B)過去に買ったことがある 体験客( = 過去の直接客) と
- X-C)五年後に買うかも知れない 潜在客(= 未来の直接客) と、
- Y)紹介者や 記者等の 間接客
は、お客様の中に含まれません。
表【2】
今月 来月の売上が欲しければ、すぐに契約してくれる現在客へ売ろうとしますし、それは間違いではありませんが、少ない母数へ 何回も 何回も 売り込んでは 嫌われることになります。
表【3】
一方、すべての直接客と 間接客も 顧客と見なせば、
- リフォームを体験したOB客が、有力な紹介者になります
- 紹介で仕事が入ります
- 代わりに売ってくれる人が増えます
- 新聞やテレビ等のメディアに取り上げられます
- 潜在客が、数年後には 新規客になります
このように、間接的な顧客が増えます。
弁当や、飲み物のような、関与度の低い商品 (あまり深く考えずに買う商品) とは違って、何十万円、何百万円もする、リフォームのような、関与度の高い商品ほど、
潜在期間が長く(検討する時間が長く)
時には、数年に及びますから、リフォームを売るって「いつまでに?」ですか?ということになり、その答え如何によって、今月、来月の現在客のみ狙うか、それ以外も含めるか、
誰へ売るか
決まります。(1)誰に(2)何を(3)どうやって売る?という戦略(マーケティング)の
(1)誰に
です。誰に売るか決めるのは、営業社員ではありませんよ?事業戦略ですから、
- 経営資源の 人(ヒト) 物(モノ) 金(カネ) を動かして
- ご新規様を紹介されたときの御礼(経理上の処理)について、税理士さんと相談し
- 数年後まで (潜在客が新規客化するまで) どうのように会社を維持するか計画し
- すべき・すべからずといった 従業員の行動規範(企業理念)を決め
「リフォームを売れ」と命じる経営者
です。つまり、営業戦略は、営業社員が決めることではなく、経営者が決めることです。
なので 「誰に売ればいいか?」 経営者へ聞いてみて下さい。その答え如何で、誰に売るか決まります。もしも、
「今月、来月、お金を払う、現在客のみ売れ」
と言われたら?
それが、その経営者の営業戦略ですから、業務命令に従う他ありません。
イヤなら、転職するか、理想の経営を目指して、経営者になるのみ。
それは、あなたが決めることです。
その判断が、あなたのキャリア(履歴)になり、ひいては、あなたの人生になるでしょう。
では、誰に売るか決まりましたら、先へお進みください。
さて、ここまでで、誰へ売るか決まりましたね?次は、
7.何を売る?住宅リフォームの商品戦略
何って 「リフォームに決まっているだろう」 と思いますよね?
半分、正解で、半分、不正解です。
リフォームは、システムキッチンやトイレ等の有形財(形あるもの)を売っているようで、じつは、
工事や信頼といった無形財を売っている
という本質論です。これは、 建設、建築、新築、リフォームすべてに通じます。
たとえば、施主さんのところへ、建材メーカーから、システムキッチン一式がドーンと届いたら、 施主さん、段ボール箱を目の前にして、困っちゃいますよね?
ごく当然な話ながら、打ち合わせ(営業や設計)あってこその工事であり、 工事があってこそ、リフォームや住宅建築が成り立ちます。 その、工事という商品には、
- 形も、色も、匂いもなく、壊れません = 無形です
- 工事は、無形ですから、製造できません
- 工事は、無形ですから、在庫できません
- どんなマナーで工事してくれるのか? (無形ですので) 施工前に、体験できません
- 工事は、365日24時間、同じではなく、天候や季節、大工さん等の体調によって変わります。 機械ではありませんから、常に均一の品質を保つのは不可能です。
同じように、営業活動も、
- 営業活動には、形も、色も、匂いもなく、壊れません = 無形です
- 営業活動は、無形ですから、生産できません
- 営業活動は、無形ですから、在庫できません
- 営業活動のみ販売することはできません
- どのように営業対応してくれるのか?フォローしてくれるのか?契約前に、体験できません
- 営業活動は、365日24時間、均一ではなく、営業マンの体調や、気分によって変わります。
営業知識の習得によっても変わりますので、一定の質を保つのは不可能です。是この通り、
住宅リフォームは無形で、無形財を売るのはサービス業
です。旅館やホテルと一緒ですね?旅館やホテル等に、建物や備品(有形物)は、ありますが、
お客様の評価は、サービス(無形)で決まる
でしょう? リフォームの良し悪しも、営業や工事といった無形で決まります。なので、トイレ等の建材に対するクレームよりも、
話が違うといった類いの営業対応や、工事に関するクレーム
のほうが多いわけです。このように、リフォームは(建築も建設も)、新しいキッチンや、新しい風呂場や、新しいトイレを売っているように見えて、じつは、営業にしろ、設計にしろ、工事にしろ、
プロの仕事ぶりという無形物
を売っています。人間としての信頼や、コミュニケーションと言い換えてもいいでしょう。これが、戦略の二つ目になる、
(2)何を売る?
です。 現在客のみ狙う戦略でしたら、バス・キッチン・トイレといった有形物を売る戦略になりますが、同じ商品はライバルも売っていますので、何の差別化にもなりません。
一方、無形を売っているサービス業であれば、
無形で無償のサービスを売る
のが営業の役割になります。営業活動は、無償です。バスやキッチンが有償です。この違いが、戦術に表れます。何を売るかという戦略いかんによって、戦術(方法。売り方。売るもの)が変わります。
では、あなたの会社は、何を売りますか?お金になる有形物(バスやキッチン)のみですか?
さて、何を売るか、決まりましたら、先へお進み下さい。
ここまでで、何を売るか?が決まりました。次は、戦略の三つ目にあたる、
8.どうやって住宅リフォームを売る?営業戦略
です。ここまでは、不特定多数の悪質リフォーム業者も読んでいますから、ここから先は、悪質リフォーム業者には内緒♪♪
筆者は、社会悪に加担したくありませんので、真っ当な会社さんのみ、
人に焦点をあてた営業法則に則った営業戦略
をお伝え致します。お知りになりたい読者さんは、
- 悪質リフォーム業者ではない証拠として※ホームページURL(アドレス)
- 授業料(年間売上の1%)を払って知りたいほど真剣ですか?
の2点を送信して下さい(上に送信フォームがあります)