顧客が感動する顧客満足の事例
マーケティングの教科書に載るような企業には、伝説といっていい顧客満足の事例があります。
その中から、ロールスロイス、ノードストローム、ディズニーリゾートの顧客満足事例を検証します。
顧客満足の事例①ロールスロイス
高級車の代名詞といわれるロールスロイス。ロールスロイスには、顧客満足の高さを物語る逸話があります。
ある英国紳士が、ロールスロイスに乗って、砂漠を横断する旅に出ていたところ、あまりの暑さに、ロールスロイスが故障。
無線で救援を求めると、ヘリコプターで、新車のロールスロイスが、空輸されてきました。
新車に乗り換えて、砂漠を横断し終えてから、英国へ戻り、ロールスロイス社へ、お礼の電話をかけたところ、
「砂漠で故障ですって?そのような事実は、報告されておりません」
との返事。なぜなら、
「ロールスロイスは、故障しませんので」
[終わり]
いやはや、 心憎い事例ですよね。この事例は、都市伝説らしく、ネタ元がありますので、ご興味がありましたら、ネタ元のウィキペディアも御覧ください。
では、次に、百貨店の顧客満足事例。
顧客満足の事例②タイヤの返品に応じたノードストローム
百貨店のノードストロームに、タイヤを返品しに来たお客さんがいました。
ノードストロームの店員は、こころよく、返品に応じました。同店では、
タイヤを売っていない
にもかかわらず。
[終わり]
この話は、ノードストロームの社員でさえ、聞いたことがないそうです(笑)
それもそのはず、マーケティング・コンサルタントのトム・ピータース氏が、
「お客様を疑わないのが、ノードストロームのポリシーだから、きっと、そうするに違いない」
と、講演等で言い広めた想像上の事例だそうで、いかに、企業ポリシーが大切か、よく解かる話ですね。
ポリシー、すなわち、理念です。
このような顧客満足(CS)活動の事例は、マーケティングの教科書に載る企業(ディズニーリゾート)にもあります。ご存知の方も多いでしょう。
顧客満足の事例③ジェットコースターとアイスクリーム
夏の暑い日、家族でディズニーリゾートへ遊びに来ていた子供が、アイスクリームを持ってジェットコースターに乗りこもうとしたので、 親は、
「アイスクリームを持ったまま、ジェットコースターに乗っちゃダメ」
と注意しましたが、子供は
「乗りたい!乗りたい」
と泣き叫ぶばかり。
そこへ、ディズニーリゾートのスタッフが、
「アイスクリームを、持っていましょうか?」
と声をかけました。
「うん」
子供は、アイスクリームを、スタッフに預けて、ジェットコースターへ乗り込みました。
乗り終えてきた子供に、スタッフは
「はい。ちゃんと持ってましたよ」
と、アイスクリームを返しました。
ディズニーリゾートからの帰り道、親は、突然、思い出したように
「あっ!」
と声をあげました。
「待っている間に、アイスクリームは、溶けて、無くなっていたハズ」
それなのに、アイスクリームを返してくれたということは、ディズニーリゾートのスタッフは、きっと、「新しいアイスクリームを買って、待っていてくれたんだ」
[終わり]
(文・写真ともに筆者脚色)
トム・コネラン (著)ディズニー7つの法則より引用。原文は、手紙。
http://www.yamanaka.ics.keio.ac.jp/wp-content/uploads/2015/08/kisekino.pdf
顧客満足の事例【まとめ】企業ポリシーの重要性
- ロールスロイスの顧客満足事例は、都市伝説ですが、元になったエピソードがあります。
- ノードストロームの顧客満足事例は、作り話です。
- ディズニーリゾートの顧客満足事例は、本当の話だそうです。
これら顧客満足(CS)活動には、共通点があります。それは、
「あの会社なら、そのように対応しても、おかしくない」
と思わせる企業ポリシーがあること。
そのポリシーが、従業員の隅々まで行き渡っていて、行動に反映されていること。
その企業ポリシーを、日本語では、理念と呼びます。企業理念や、経営理念の「理念」です。
理念の中に、「このように動くべし」「このように動くべからず」という行動指針や行動規範があります。ビヘイビア・アイデンティティ(BI:Behavior Identity)です。
そうしたBIが、あなたの会社には、ありますか? という話です。大丈夫。なければ、作ればいいだけです。
あっても、不文律のままでは伝わりませんから、明文化して、社内の壁に掲げておくのみならず、社外へ宣言しましょう。
そうすることで、あなたの会社は、簡単に真似されない企業文化を持った唯一無二の会社になれます。もしかしたら、
あなたが主人公の顧客満足物語が、どこかで生まれる
かもしれません。
たとえ、従業員の隅々まで行き渡らなくても構いません。
言葉に出して宣言してしまえば、守らざるを得ませんから、もしも仮に、BIを「知らない」または「破った」従業員がいたとしたら、お客さんのほうから、
「言ってることと、やってることが、違うんじゃないの?」
と指摘されます。これ即ち、信用失墜。 そうなると、社のBIを「知りませんでした」では済まされなくなります。
「信用が失墜するくらいなら、いっそ、無いままで良いんじゃないの?」
という見解もありましょう。制限が無ければ、「やってもいい」と勘違いするアルバイトがいます。
そういう半社会人が、アルバイト先や、お客さんの悪口をWEBへ投稿したり、冷蔵庫の中に入って写真を撮ってニュースに流れ、社の信用に傷をつけます。
炎上してしまったら、失った信用は、そうカンタンに、取り戻せません。
だから、作りましょう!(これも危機管理ですよ?)