コンサルタントと契約する前に_経営コンサルタントの選びかた
経営コンサルタントが、需要と供給によって、細分化してきました。そこで、昨今は、経営コンサルタントではなく、ビジネス・コンサルタントや、企業コンサルタントという呼称も広がりつつあります。いずれにしても変わりはなく、それぞれ得意とする専門分野があり、どういった選び方で契約するか?によって課題の解決方法が変わってきます。一般的に、選ぶ切り口は5つあります(あくまで一般論です)
[1]専門分野で契約する
人事、財務、法務、資金調達、ISO、営業、マーケティング、技術、労務、経営管理のように、専門分野の経営コンサルタントと契約する選択肢があります。専門分野に特化したコンサルタントは、資格士と、無資格に分かれます。[1]-①有資格のコンサルタントと契約する
士業がコンサルタントを名乗っている場合は、- 会計士なら財務コンサルタント、
- 社労士なら人事コンサルタント、
- 中小企業診断士なら経営管理コンサルタント
弁護士会や税理士会のような資格を司る団体へ
問い合せるとよいでしょう。ただし、- ウマが合う専門家を紹介してくれるとは限りませんし、
- 国家資格を持っているからといって、実力の証とは限りません
[1]-②無資格のコンサルタントを契約する
選びにくいのが、無資格の専門コンサルタントです。司法試験などの業界基準が無いため、実力を知ってから選ぶのが無難です。営業のコンサルタントや、(飲食等の)業界専門コンサルタントは、無資格ですから問い合せる団体がなく、
何らかによって、実力を推し量る他ありません(後述[5.実力で選ぶ]参照)[2]業界コンサルタントと契約する
たとえば、飲食コンサルタントは、飲食業界に特化することで、それ以外の業界を切り捨てています。メリットは、- 業界に詳しいので、
- 業界特性を説明する必要がなく、
- 業界用語で会話できます。
- 専門性が高いため、業界を知り尽くしたコンサルタントならではの知見
[3]コンサルティングの会社名で契約する
有名なコンサルタント会社の名前で選び、契約するのも、一つの選択肢です。もちろん、高額。同じ意味で、高学歴(あるいは、華々しい経歴)のコンサルタントを選ぶこともできます(虚飾にはお気をつけて)ただし、中には、最初だけ売れっ子コンサルタントが出てきて、途中からは新人コンサルタントへ引き継がれる
コンサルティング企業もあるようです。大学出たての、わずか数年の社会経験で、経営や創業の苦労を知らずして、人様の会社を指導できるものかどうかの判断は、お任せします。
[4]顧問料で契約する
安いに越したことはありません。最少の投資で最大の効果を狙うのが経営ですから、安いコンサルタントのほうがいいに決まっています。とはいえ、安かろう悪かろう
に当たる危険性が大きいことは、お分かりになりますね?実力がなければ、依頼されませんから、価格を下げてでも、仕事を取りたくなるのが人情。かといって、高ければ実力があるとは限りません。コンサルティングの価格と、実力は、まったくの別モノ
です。ハロープライシング(金額が高ければ良いものだと思い込んでしまう心理を利用した価格設定)で、実力以上の料金を設定しているコンサルタントもいますから、充分ご注意を。[5]コンサルティング料金が無料なところと契約する
無料で集客しているからといって、実力に乏しいとは限りませんが、タダより高いものは無し(うまい話には裏がある)
のも事実ですし、最初は無料でも、契約後、高額の投資に見合った結果が出る保証など皆無
です。経営コンサルティングは、契約して試してみなければ、実力を把握できません。問題は「そのコンサルタントは、
どうして、無料にしているのか?」という正当な理由
です。不安を抱える擬似客を慮って、無料にしているのであれば良いのですが、優秀なコンサルタントに限って、無料にしなくても、(著書などを読んで)依頼があることは確かです。【ここだけの話】
安いほうがいいとはいえ、もともとコンサルタントは、安定している企業が、更なる成長を期待して依頼する専門家ですから、通常、それなりの金額を払える企業が依頼
しています。そういう話をすると「高い料金の言い訳」「弱者は切り捨て」のように受け取られかねませんので、できるだけ伏せて分析していますが、有名なコンサルティング会社の中には、業績が悪化している企業からの依頼を、断るところ
もあります(彼らにすれば儲かりませんから)実名を伏せて一例を開陳しますと、業績が落ち込んでいた某社の専務は、有名なコンサルタント会社ならば、いい知恵を授けてくれるだろうと、依頼を前提に電話したところ、コンサルティングに割ける予算、売上高、売上推移、従業員数、業種業態などを根掘り葉掘り聞かれた挙句に、
「その状況ですと、弊社へ依頼されても、成果を得られにくいと思いますよ」
と遠まわしに断られたそうです。また、「それくらいの予算では、できることなど何もありません」
と、キッパリ断られた社長さんもいます(ご本人の談)要するに、クライアントを儲けさせるためではなく、自分たちが儲けるためにコンサルティングを売っているコンサルタント会社もあるようです。もちろん、そのようなコンサルタントばかりではなく、いろいろなコンサルタントがいますから、
弱者救済を理念にしているコンサルタント
もいるでしょう。が、その中には、弱者を食い物にするコンサルタント
も大勢いますので、お気をつけ下さい。具体例は、さすがに公開できませんが(苦笑)(彼らのビジネスモデルを公開して商売を邪魔する理由がありませんので)[6]実力を見て契約する
コンサルタントの実力を垣間見るには、- 割り引きしていないかどうか?(仕事に飢えると、値引いても仕事を取りたくなるのが人情)
- 著書があるかどうか(世間に認められる実力があるかどうか)?それを読んで納得できるかどうか?
- ホームページやメルマガ等で、実力(内容)を公開しているかどうか?公開し続けられるノウハウの質と量を持っているかどうか?
- 結果を出せる独自の手法を持っているかどうか?独自理論がなければ、同じ理論を唱えている別のコンサルタントから相見積を取ってみましょう。
- 当事者意識を持ってくれるかどうか?(苦悩を一緒に背負い、共に考えてくれるかどうか)
- 信じられる人格者かどうか?(そのコンサルタントを信じなければ、動けませんから、結果も出ません)
- 価値観が合うかどうか(こればかりは、会ってみなければ分かりません)
抽象的なことを言うコンサルタントは実力に乏しい証拠
ですから、要注意です。実力があるコンサルタントは、自分の得意分野と、不得意分野を知っています
から、具体的に何が得意か公開しているはずです。- 何が得意なコンサルタントへ
- 何を依頼して
- どんな解決を望むのか?
- その内容は?
- 優先順位は?
- その解決のための価値として、いくら支払うのか?
- 金額に換算すると、いくらの価値があるのか?を価格化すること