- 新規の顧客を開拓する新規と、
- 既存の顧客を維持・深耕する既存
の2つに分かれます。たとえば、その両方を、戦略的に強化しているのが、ハードな営業で有名なA社。 全国ネットでTVCMを放映していますし、社会的事件にもなりましたから、三十代以上なら誰でも社名を知っているはず。二十代前半だった学生の頃、筆者も、A社で、新規のアルバイト営業を経験しました(内側にいました)し、あれから数十年が経過した今でも、同じ仕組みで営業活動していますから、正に数十年に及ぶ大戦略。名付けるとしたら、短期探索営業戦略で、
新規の開拓は営業のアルバイトに任せ、既存の維持は営業の社員に任せる
戦略です。 四半世紀前とはいえ、A社は、顧客を軸に、アルバイトと社員を分けていました。アルバイトには、顧客を任さずに、会社を伸ばす使命を帯びた社員に、顧客を任すという徹底ぶりです。社員のセールスマンといえども、決して安穏ではありません。 顧客獲得の苦労を知らしめる目的でしょうか、入社して数年間は、アルバイトと同様
新規のセールスに専念します。翻せば、「この新人は、辞めなさそうだ」 と見なされるまで、アルバイトと同様、新規のみ従事させるのでしょう。やっと、既存客を引き継ぐようになっても、正当な理由なくして、顧客を維持できなければ、顧客という会社の無形財産を手放したとして糾弾されます。おそらく、人事考課にも響くでしょう。このような、顧客を財産と考える戦略
ですから、短期の営業アルバイトであっても、長期の社員であっても、顧客へ対する思い入れは非常に強く、自分の顧客という意識で自分の顧客を大切にします。たとえ、会社から任された顧客であっても、預かっているうちは「自分の顧客」ですから、その顧客のために粉骨砕身、努力を惜しみません。こうして、既存顧客を維持する一方、新規顧客も増えるのですから、顧客の母数が増え続けるのは自明の理。道理で、会社が急成長する戦略なワケです。- 短期探索営業戦略のメリット
- 今月や、来月の売上が伸びる。
- 新規客が見つかれば、営業力が低くても、売れる。
- 商品力があれば、営業力が低くても、売れる。
- 営業の適性と、才能と、勘と、根性と、経験の、5つの資質がある人は、育つ。
- 資質がある人は残る(営業職に向かない人は、辞めていく)