数値目標を達成するための長期的な作戦
のことで、営業力が強い企業は、- 飛び込みによるダイレクトセールスや、
- 営業マンの行動管理(最強の営業戦略の例=タイムマネジメント戦略)
- ヒト(社員やアルバイト)
- モノ(商品や営業拠点)
- カネ(人件費や仕入れ代)
経営の三大資源を差配する経営者(あるいは全権を託された部門長)が立てる戦略
になります。意外と見落とされがちですので、わかりやすく逆説しますと、
- 営業課長は、営業部長を選べませんし
- 交通費や、ガソリン代は、社員の自腹ではなく、会社が払うカネですし
- 給与の額を決めるのは営業社員ではなく、給料を支払うのは会社(財務)
経営者が立てた営業戦略の範疇で、それぞれ、戦術を立てて戦う
ことになります。戦略 - 戦術です。どこの企業でも、経営者が採用した営業戦略は、暗黙のうちに、脈々と受け継がれていて、それが当社の営業戦略(うちのやり方)
になっています(これで当然という組織のバイアスがかかっています)なので、100社あれば、100通りの営業戦略があるわけですが、その営業戦略の基本形は、三つしかありません。
1.知らせて→売る営業戦略
船から網を投げて一挙に獲得する漁業のように、テレビCMや新聞広告等で告知し、大量に反応を得る営業戦略
の立て方です。たとえば、自動車は、メーカーが広告を出して、ディーラーが販売していますね?このように、- 流通の場合、メーカーが知らせて、小売店が販売します
- 通販は、広告やチラシで知らせて、申し込みを待ちます
- 個店の場合は、店舗そのものが告知媒体(なので立地が重要)です
- 宣伝していない商品であっても、小売店の棚に並べば、来店客の知るところになります=宣伝と同じ
2.知らせて→勧めて→売る営業戦略
山の幸が実っている山野を求めて探し回る林業のように、あるいは、獲物を求めて山林を駆け巡る猟師のように、新規客を探し回るか、放っておいても自然と実る林野のみ再訪する営業戦略
の立て方です。新規客重視型で、商品を売って売上を伸ばす作戦です。3.知らせて→教えて→勧めて→売る営業戦略
種をまき、作物を育て、収穫期が来たら刈り取る農家のように、いきなり売るのみならず、売れる時を見計らって、毎年のように刈り取りを繰り返す営業戦略
の立て方です。既存客重視型で、価値と信用を売る戦略です。4.営業戦略のフレームワークとは?
以上3つの範疇の中で、(経営レベルではなく)営業の現場レベルでは、営業社員が、作戦を立てます。これが、巷間いわれる、営業戦略
です。経営戦略から見ると(社長の立場からすると)営業戦術になります。営業社員が作る(営業現場の)フレームワークは、
経営戦略や、マーケティング戦略のフレームワーク
であるSTP、AIDA、SWOT、4P's、4C's、3C、4C、5F、PEST、USP、PDCA、KSF、PLC、RBV、PPM、PLC、VSPRO等のフレームワークに当てはめながら、戦術レベルとしての戦略を構築しているようです。とりわけ、マーケティング戦略の基本中の基本である、- STP(セグメント、ターゲット、ポジション)戦略や、
- 3C(顧客、自社、競合)分析
- ポーター教授の5 Forces(ファイブ・フォーシーズ)や、
- アンゾフ教授の成長戦略
マーケティング戦略や、経営戦略のフレームワークを知り、あてはまめてみる
のが取っ掛かりになりそうです。ただし、ライバルを含めた他社と似た営業戦略になるのは致し方ありません。他社と同じフレームワークを使いますので。5.もっとも多いのが新規を開拓する営業戦略の立て方
利益優先の新規開拓型は、今月や来月の売上を得る目的で、目に見える具体的な商品を、今すぐに売る繰り返しの営業活動に向いています。今すぐ売れそうなお客さんを探すところから始める、探索営業は、お客さんさえ見つかれば、営業能力が低くても、すぐに売れます。しかし、見つからなければ、
営業活動しなかったも同然
の徒労に終わります。その精神的なストレスや、肉体的な疲労に耐えられる営業マンは続きます。新規の営業に、向き不向きがあるといわれるゆえんです。反面、耐えられなければ辞めていくため、先天的にセールスの才能がある人材のみ残す目的か、または、セールスマンを補充し続けられる求人広告費が豊富な企業に向いた戦略の立て方です。なぜ、新規開拓型が多いのか?
というと、商品を売るための営業戦略ですから(セールスマンが自分を売るためではなく)、売れる商品であれば、セールスマンは誰でも構いません。
- 商品を売って
- 新しい売上と
- 新しい顧客を増やす
- 会社の営利を目的とした
- いつ辞めるかもしれない派遣社員でも可能な
- 自社の未来を託す正社員として育てなくてもいい
つまり、セールスの才能がある人材のみ自動的に残ります。問題は、無形の才能や適性を、新人へ教えるのは難しい(=根性や勘や経験則で教えがち)ということでしょう。
6.新規の開拓で少ないのが既存維持の営業戦略
(既存維持型の営業戦略は、顧客が固定している企業や、ご新規様が増えにくい業界には数多く見受けられますが、ここでは、
新規の開拓に絞って検証
します)その既存客維持の営業戦略は、いつ受注があるか予測しにくい(金融のような)商品や、目に見えにくい(システム開発のような)商品を、信用を得てから、無理なく売るのに適しています。- 一生使えて
- 使っても減らない
- 信用という
- 目に見えない無形財産を増やすために
まだ、会社の顧客を、自分の顧客と思って大事にできなさそうな企業風土には適しません。しかし、
- ストレスが少なく
- 新人を辞めさせることなく育て
- ベテラン営業は契約に集中できる
なぜ、既存維持は少ないのか?
というと、既存維持型は、商品を売るのと同時に、セールスマンが信用を得るための戦略ですから、セールス担当は、辞めずに勤め続ける人(顧客にとっての会社の顔)でなければなりません。これが、経営者が、トップセールスになりやすい原因
です。経営者が辞めるときは、経営を譲る時か、会社が無くなる時ですので。自社の浮沈に賭けている経営者は、商品を売るのみならず、会社の信用や、自分の信用も売っています。自らを売って信用を得るということは、同じ顧客と、末永く付き合う人脈(やリピーター)の増強を目的とした、商品を売るよりも先に、その人となりの信用を売るということになります。それには、