日本におけるマーケティングの起源は三井高利の母・三井殊法に在りし

おもしろマーケティング

マーケティングは学ぶものではなく考え出すもの

『マーケティングの起源は、三井にあり』と唱えるドラッガー教授に対し、畏れ多くも筆者、

『マーケティングの起源は、三井高利の母、三井殊法にあり』

と付け加えさせて頂きます。マーケティングの起源が、350年前の日本人のおっかさんだったなんて、痛快じゃありませんか。

おっかさん、お母さんというと、人それぞれイメージが異なるでしょうから、補足しますと、殊法の生年から、次男の没年を差し引くと、31歳で末子の三井高利が生まれた計算になります。

31歳。ごく普通の母親の年齢です。

14歳で輿入れしてきて、8人の子供を産んだ(23歳で次兄を出産)ということは、おおよそ、2年に1人のペースで出産しましたから、三十代中盤までは、育児の毎日だったでしょう。

育児に専念できれば良かったのですが、亭主の高俊は、俳諧や連歌を好む、風流人。

子供を育てながら、質+酒+味噌の店舗を、夫に代わり、切り盛りしていたのは、殊法でした。

43歳で夫の高俊を亡くして以降、彼女は生涯(87歳に没するまで)寡婦を貫きます。

きっと、商売に専念していたのではないでしょうか。

(そこで、母親の面倒をそばで見ていた高利の存在 - 江戸へ送った手紙の真偽 - が浮かび上がります)

そんな日本人女性が、マーケティングの起源となれば、いい齢した男性諸氏は、うかとしていられませんよね(笑)

「マーケティングは、学ぶもんではあらへん、考え出すもん。私もな、学んでおらへんから」

そのように、350年前の日本人女性が、にこやかに語っているような気もします。

なんのために営利追求するマーケティングなのか

考え出すために、マーケティングのフレームワークがあります。

マーケティングのフレームワークを知ることがマーケティングではありません、それを使いこなすこと。使って考え出すことです。

ましてや、マーケティングはテクニックのことではなく、殊法が遺したように、

「売りて悦び、買いて悦ぶ」(売ることに悦びを覚えなさい。お客様からも買って悦ばれるようにしなさい)

という理念が必要不可欠。

理念

これが主題です。

  • 理念がある、顧客と喜び合うために営利追求するマーケティング。
  • 理念のない、売上金を稼ぐために営利追求するマーケティング。

どちらを選びますか?という二者択一です。殊法は、前者の言葉を遺しました。

「売りて悦び、買いて悦ぶ」と聞けば、どちらかというと、

「買いて悦ぶ」(お客様からも買って悦ばれるようにしなさい)

のほうが大事なように思われます。

が!「売りて悦び」(売ることに悦びを覚えなさい)のほうが重要だったりします。

売れれば、「代金が入ってきて嬉しい」の意味もありましょう。が!もう一つ、

「お客様と、価値を共有できて、嬉しい」

という意味も(殊法が遺した言葉の中に)ありそうです。

価値満足=顧客の不満を解消せよ

「代金が入ってきて嬉しい」

のは、営利追求活動ですから、当たり前な話です。

問題は、

  • 「代金が入ってきて(自分だけが)嬉しい」のか
  • 「代金が入ってきて(お客様に喜ばれて)嬉しい」のか、

どっちですか?

ということ。お客さんに喜ばれるには、顧客満足が欠かせませんね?

ひいては、価値満足が欠かせません。

巷に溢れる顧客満足や、顧客第一や、笑売繁盛が、お題目に終わりがちなのは、お客さんから、

  • 「そら、あんたの商品が売れて、満足したいだけやろ?」
  • 「そら、あんたの売上金が入ってきて、笑いたいだけやろ?」

と見透かされているからでは?

安易なテーゼは見透かされます。

誰のために商品を売っているのか、お客さんは見抜きます。

どう見抜くか?そこに、顧客自身の価値(メリット)が、あるかどうか?で見抜きます。だから、

価値が最重要

です。価値と、価格を、対等に取引して、自分も、顧客も、双方が共に満足するには、価値を作り出すか、さらに高めることです。

価値とは?その人にとって大切なもの(筆者定義)でしたね?

価値=満足-不満(幸福=満足-不満)で等式化できますから、満足してもらう何かを創り出すことによって顧客満足を高めるよりも(高めるには限界があります)、不満を解消し、価値を高めること。

これ即ち、価値満足。顧客の不満を解消するには、不満に耳を傾けることです。

「お客さんに、満足してもらうためには、もう、これ以上、やることがない」

となったら、不満を、しらみ潰しに、つぶしてみて下さい。顧客満足<価値満足の順に、満足度は高まりますから。満足してもらう何かを創り出すよりも簡単でしょう?

営業商人

三井の越後屋も、不満をつぶしていきました。

たとえば、現銀かけ値なし(定価販売の小売)

「掛け値は信用できねえ」という不満を、正札の現金取引にすることで、資金(売上金)が集まりやすいようにしました。

「反物は量が多すぎ。少量を切り売りしてくれれば」という不満を、切り売りのオーダーメイドにすることで、お客さんから喜ばれ、お客さんが味方になってくれた結果、業界からの圧力にも耐えられました。

このように、お客さんの満足は、お客さんの不満の中に眠っています。

しかし、それを、お客さんは気づいていません。自分では、自分のことが分からないものですよね?

だったら、聞き取ることです。それを、マーケティングでは、定量調査といいます。

究極の営業活動は、調査活動に他なりません。

聞き取ることができない営業マンが多いのは、職人営業だからです。

三井のような商人の営業を実現するには、

  1. お客さんの声を聞くこと(マーケティング・リサーチ)
  2. 本音を探し出し(インサイト)
  3. 望みを叶えるもの(価値=無形)と価格を取引することです。

望みが高ければ、それを叶える価格も高くなりますし、その逆も然り。これが、商人営業、営業商人です。

顧客のことは社員が考える

商人営業。営業商人。おそらく、日本初のオピニオンでしょう(検索しても見つかりませんので)

マーケティングの起源が(三井という)商人だったように、マーケティングを駆使する営業戦略こそ、商人営業であり、営業商人。

(三井が、業界から威嚇されたように、商人営業は、職人営業から叩かれます。そうならないように調整するのが、マーケティング・マネジメント。顧客優先の経営です)

職人の営業に、戦略は必要ありませんが、商人の営業には、戦略が必要です。

戦略を実現するには、戦術が必要です。戦略戦術。これ即ち、勝つ術(すべ)を考えること。

考えることといっても、経営者の仕事は経営ですから、頭の中はカネカネカネで一杯です。

悪い意味じゃありませんよ?経営資源のうち、最も重要なのは資金ですから。 

そんな経営者を援け、会社を維持し、成長させるために、顧客のことは社員が考えて差し上げませんか?。

え?そんなコタァ社長が(あんたの会社なんだから)考えろって?

どこまで(資金から営業まで)経営者に頼るつもりですか?

どうしたら、お客さんを増やせるか?考えるのが営業商人 です。(営業職人は、考えなくても、自然体で、一人でも、出来ますから) 

組織的なマーケティング・セールスと言い換えても良いでしょう。 冒頭の繰り返しになりますが、マーケティングは、知識を習得することが重要 なのではありません、考えることが重要です。

 社員が、顧客を増やそうと考える風土にするには、経営者が、 

「売上金を増やせ」 

と命じるのではなく、

 「顧客を増やせ」 

と翻訳して伝え、顧客を増やす活動であれば全面的に支援し、営業職人に邪魔 されないようにしてあげることです。

さすれば、社員と経営者が、お金(給料や売上)ではなく、顧客の名のもとに 合意し、顧客を増やすことで、売上も増やしていくでしょう。

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