「無形財とは、サービスのことである」
と解釈する向きが(ウィキペディア等の影響により)増えているようです。確かに、
- 情報 … テレビ、新聞、ラジオ、取材活動
- 知財 … 発明、絵画、音楽、著作物等の権利、ライセンス、特許、意匠、名称。、用新案。
- 人材 … 人脈、紹介、組織、団体、組合、結社、クラブ
は、取引が発生する無形財です。無形ですが、たとえば新聞は、作るのも売るのも、サービス業ではありません。
「いや。情報はサービス業だ」
という分類は、プログラムやソフトウェアなら、当てはまりましょう。
しかし、新聞配達員は、配達の仕事を、サービス業だなんて、毛ほども思っちゃいませんよね?また、
金融や運輸はサービス業ではない
金融や運輸はサービス業だという区分けも見聞きしますが、 生保のおばちゃんや、借金の取り立て屋は、ご自分の業界を、サービス業と思っていないでしょう。
さらに、農協には、人的ネットワークと、経済的な価値があるため、農家の皆様は加入しますし、
社長業や師士業は、人脈を広めるべく、ライオンズクラブや、ロータリークラブに入りますね?
ラジオ局や新聞社は、サービス業ではない
そもそも、ラジオ局や新聞社は、サービス業ではありません。作曲家や職人 も、サービス業ではありません。
ブランドそのものは無形ですが、サービス業ではありません。
労働(人)は無形ですが、サービス業ではありません。
このように、無形財とサービスは、分けて理解するのが難しい。
もし仮に、サービス業に押し込むべきは、土日祝日に休まれると、利用者が困る、病院、銀行、職員と呼ばれる仕事は全般的に。行政(役所)でしょう。
誰が何を理由に「〇〇業はサービス業」 と区分けしているのか
要するに、誰が、何を理由に、 「〇〇業はサービス業」 と区分けしているのでしょう?ということです。
疑う思考。問う思考です。
もしも、マーケティングマイオピアを根拠にしているとしたら、レビット教授 は、鉄道業界や映画産業を指して、一言も、サービス業とは言っていませんし、 コトラー教授のサービス・マーケティング(7P)によると、
「ヴァージン・アトランティック航空の成功の秘訣は、自社を航空業ではなく、娯楽業と定めたから」
と記されてある通り、運輸業=サービスという構図ではありません。
ベネフィットを軸に考察
中核ベネフィットに、機能的、情緒的、2つのベネフィットが加わって、3つのベネフィット。
先の「専門家を疑う」と合わせて、どんな権威が「〇〇業はサービス業」だと 区分けしても、 初歩(守破離の守)の段階では、素直~に学ぶとして、 中級(守破離の破)へ進み、上級(守破離の離)へ到達するには、 疑う思考・問う思考で、疑ってみるところから始める。
本例では、中級止まりで、上級へ進んでいませんので、あなたなりに、
- なぜ、運輸は、サービス業なのか?(運ぶ作業には形がないから?)
- なぜ、金融は、サービス業なのか?(現金以外の金融には形がないから?)
お考えになってみてはいかがでしょう?
豪華客船の乗組員に、海運が、無形のサービス業かどうか、訊いてみれば、わかるでしょう)
ベネフィットで商品を分籍する
「運ぶこと自体には形がないから、運輸業はサービス業」
という理由では、他社との差別化になりませんが、商品をベネフィットで切ると、自社ならではのサービス=商品が生まれることを、ご理解いただけるはず。
最後に、総務省のサービス業一覧をご紹介します。
https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/02toukatsu01_03000044.html
サービスって何なんでしょう?パチンコ屋さんは、サービス業ですが、無形でしょうか?