CIS(コーポレート・イメージ・ストラテジー)とは?

経営戦略

紋章

CI=MI+BI+VI

ブームになったCIと、ブランドが結合することにより、

BI/Brand Identity(ブランド・アイデンティティ)

とも呼ばれるようなりました。

その結果、BIやらCIといっても、現実的には、
  • 社名を変えるか
  • ロゴを作る
の、いずれかになってしまいがち。なぜなら、CIを導入した結果が目に見えるロゴ(マークやタイプ)を作るのが、一番わかりやすくて、お金を払う側としても、納得しやすいからです。

これで、CIを導入したような気になります。これは、CIのうちのVIのみ取り入れるからで、本来、CIは
  1. MI/Mind identity(マインド・アイデンティティ)…法人としての考え方
  2. BI/Behavior identity(ビヘイビア・アイデンティティ)…経営者や従業員の行動
  3. VI/Visual identity(ヴィジュアル・アイデンティティ)…企業の可視化
以上3つで構成されます。

「企業としての考え方」「経営者や従業員の行動」「それらの可視化」の3つがCI。

一方の企業イメージ戦略(CIS/コーポレート・イメージ・ストラテジー)は3つ。
  1. 伝達イメージの数値化
  2. 顧客満足への反映
  3. 自己分析
ひとつづつ解説しますと、
  1. 伝えたいイメージを一方的に(ホームページやCMなどで)伝えるのみならず、伝えたいように伝わっているか?を測定して数値化
  2. 伝えたいイメージが、顧客満足や顧客対応に反映されているか検証
  3. どのようなイメージを伝えることができ、どのように受け取ってもらいたいか自己分析
以上の3つ。たとえば企業理念に代表されるCIは
「当社は、このように考える」
というI(アイ)の宣言せすから、そのように受け取られているかどうか確認しなければ、自己満足のための企業理念になります。

もちろん、自己満足のために企業理念を掲げているのであれば、それはそれで構いません。

どう受け取られているか?は、リサーチすれば分かります。リサーチすれば数値化できます。

この「数値化」という考え方がCIに欠けています。
「リサーチすれば数値化できる」
と知って
「はあ?」
と思っている方のために【1】~【3】までを一挙に実現する方法を開陳しましょう。

たとえばスキー場。

スポーツ・スキーヤーのためのスキー場ではなく、ホッと和(なご)むスキー場のイメージを持ってもらいたい場合、
次のようなアンケートを作って訊くといいでしょう。

【Q 当スキー場に来ると、ホッと和みますか?】

とても和む - すこし和む - わからない - あまり和まない - 全然和まない

(どうしてそう思いましたか?____________________)

という質問を訊ねて分析すれば、目指すイメージと現在のギャップを数値化でき、その差を数字で測定できます。

数値化するには、
とても和む………10点
すこし和む………5点
わからない………0点
あまり和まない…マイナス5点
ぜんぜん和まない……マイナス10点
とし、仮に100人から(回答率100%)寄せられたとして、100人が100人、
とても和む………10点
を選んだとすれば、イメージの測定値は1,000点(=100人×10点)。

1,000点満点に違和感を覚えるようなら、一ケタ削れば、100点満点。

もちろん、100点満点などほぼ有り得ません。90点や80点で100点満点と判断するような基準を作っておくといいでしょう。

また、調査によってはマイナス値を出さないように、正数のみ当てはめる場合もあります。マイナス値は、心臓に良くないからです(本当に)

<span style="font-size:large;">6)ブランド化の進め方</span>

もう一問、たとえば「親切」というワードが、和みや暖かみを代弁してくれると仮説立てれば、次のような設問が挙げられます。

【Q 当スキー場のスタッフは、親切でしたか?】

とても親切 - わりと親切 - わからない - あまり親切ではない - 冷たい

(どうしてそう思いましたか?____________________)

これも前述と同じように数値化します。こうした設問を仮に10問用意し、オール満点だとすれば、10,000点(=100人×10点×10問)満点。

これによって(100点満点に換算すると)100点中、何点なのか数字で把握できます。

これが顧客満足調査で、どういう質問を設けるかによって、

【1】伝達イメージを数値化
できて、

【2】顧客満足への反映しているか検証
できて、

【3】自己分析

の材料になります。

要は、アンケートやインタビューの設計という戦法次第です。

この繰り返しによって、自らのイメージと、顧客に抱いてもらいたいイメージを整合させていきます。

そのイメージが、ほぼ整合したとき、イメージ戦略は成功した…と評価できます。

これがブランド化の進め方。

あなたの会社や店舗が「売上至上主義」とか「対応が悪い」と思われていてもいいのであれば、企業イメージ戦略を導入する必要はありませんが、しかし「こう思われたい」と思うのなら、企業イメージ戦略は必須。

なぜなら「そう思う」ことによって「あなたから買おうかどうか」決めるのは顧客だからです。

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