サービス・マーケティングとは姿形のない無形物のマーケティング

マーケティング

サービス・マーケティングとは姿形のない無形物のマーケティング

サービス・マーケティング

目に見えない商品(無形物)を対象としたマーケティング

とりわけ、士業を対象としたマーケティングが、プロフェッショナル・サービス・マーケティングです。

従来からのマーケティングは、目に見える自動車や、家電等の有形物を対象に発展してきました。

しかし、70年代に入ると、無形のサービスに特化したマーケティングが求められるようになりました。

具体的には、コトラー教授が著書の中で例示している、

弁護士等の士業のマーケティング

ですので、士業の先生方は、この本「コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング」のレビューだけでも御覧になっておいたほうが良いでしょう。

ご存じ、弁護士業は、姿かたちのない、サービス業です(もちろん、弁護士さん本人には、人間としての姿かたちが、あるにしても)

(下記の分類は、このサイトの筆者による分類です。コトラー教授による分類ではありません)

士業の他にも、情報、金融、保険、証券、旅行、通信、警備、飲食、ギャンブル、広告、旅館、ホテル、病院、理容、人材、教育、エンターテイメント、政治、運輸etc.

上記の中には、「あれ?それは、サービス業と違うよ?」という業種があるでしょう。個人が顧客のビジネス(BtoC)における

サービスマーケティングは、業種の壁を越える

からです。たとえば、

  • 風俗業は人類最古のサービス業(無形商品)といわれていますし、
  • 今あなたが使っているインターネットは、人類最新の無形商品ですよね?
  • たとえば、宅配便という商品は、トラックで荷物を運ぶ運輸のマーケティング(新商品開発)から1976年に生まれました。1日目の取り扱い数は、わずか2個だったといいます。それが数十年後の今では、国家事業であった郵便局のゆうパックを脅かすほどの一大産業に成長しました。
  • たとえば、レストランは、サービス業ではなく、飲食業ですが、食べるだけの飲食業と、空間を楽しむ飲食業は、サービスの有無で、異なります。前者(食べるだけ)は飲食業。後者はサービス業。
  • 歯科医は、サービス業ではありませんが、サービス業の自覚なく、お偉い先生ぶった歯科医院は、淘汰されていくでしょう(歯科医師過剰問題)

これこの通り、個人が顧客のビジネス(BtoC)におけるサービスは、業界の枠を超えます。

  • 歯科医なのに、サービス業。
  • 配送業なのに、サービス業。
  • 通信事業なのに、サービス業。
  • 飲食業なのに、サービス業。

こうした、

無形サービスの新商品開発から市場導入に至るまでのマーケティング

を、サービス・マーケティングと筆者は理解しています。サービス・マーケティングは、マーケティングの神様と呼ばれるフィリップ・コトラー教授が提唱しました。

マーケティングの7P'sです。

では、有形と無形のマーケティングの違いは何でしょう?コトラー教授によると、サービスには4つの特徴があります。

1.無形性/非有形性

色も形も匂いもなく、目に見えないため、購入前に実感しづらいのがサービス。わかりにくい商品です。

わかりにくいものは売れにくいとは限りませんが(かといって、反対に、誰にでも分かりやすい牛乳や大根だからといって、飛ぶように売れまくることもありませんが)、理解しづらいものは買いにくいのは確か。

ただし、サービスを具現化するための設備や備品によっては、目に見えるものや、形のあるものがあるため、無形と有形の比率は、業種によって異なります。

わかりやすくパチンコを例にとれば、パチンコは有形ではなく、遊戯という無形です。

遊戯は無形ですが、景品は有形物ですし、パチンコ台も有形物ですから、目に見えます。

パチンコ玉にも触れられます。銀玉には実体がありますから、触れば、冷たいと感じられます。

そういう点では、無形サービスながらも、かなり、有形の比重が大きいことが分かりますね?

パチンコホールがなければ商売になりません。その逆に、

弁護士などの士業は、無形の比重が大きい

のが特徴。なぜならば、本人が商品だからです。その中間にあるのが医師。能力も重要ですが、外科医となるとメスがなければ手術不可能ですよね。士業にしても、師業にしても、試してみるまでは、質の高いサービスかどうか、実感しにくい特徴をもっています。

2.同時性/不可分性

サービスは、製販在が同時に行われ、可分できない特徴を持っています。

有形は、製販在ルートを辿って(作って在庫して売って)私たちの許へ届きます。たとえば、有形のお茶を淹れるとき、そこには茶農家も、製茶工場も、卸も、小売店もなく、ただ茶葉があるだけ。茶葉という商品が、製造工場や、販売小売店、在庫(倉庫)というよに、切り離されています。マーケティングでいうところの、サプライチェーンです。一方の

無形財は、船旅のように、製販在が同時に

行われます。船旅という商品を、製・販・在に分けることは不可能です。販売のみ分離できるように思えますが、あくまで旅行代理店の代理販売であり、最終的には、販売者(船会社)が、船を運行して、サービス(移動や海運)を提供します。

3.異質性/変動性

サービスの質は常に変動します。船旅という無形商品が、常に一定の品質を保てるかというと、それは困難。

  • 時化(しけ)る日もあれば、
  • 凪ぎの日も、
  • 晴れの日もあれば、
  • 雨の日も

あります。タクシーにしても、運転手さん次第で、乗り心地が異なりますし、同じ運転手さんでも、気分や体調や日時によってコンディションが異なるため、

均一のサービスを、変動することなく、提供し続けるのは不可能

です。これが、三番目の、変動性(あるいは異質性)です。

4.消滅性/非貯蔵性

上記の製販在にも通じますが、サービスは貯蔵できません。

  • 弁護士の弁護も、
  • 病院の診断も、
  • 競馬のレースも、
  • 結婚式も、

在庫不可能

オートレースを録画しておいて、終わってから見ることは出来ますが、レースが終わってから(結果が出てから)、そのレースの投票券を買うことは出来ません。それができたら一日で大金持ちになれますが(笑)

以上4つの特徴がサービス業にはあるというコトラー教授の研究結果です。さらに、コトラー教授の受け売りを読むくらいなら、冒頭ご紹介した、教授の本を読んだほうが正確なので(笑)、教授の本を御覧ください。

コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング

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