GNP(国民総生産)とは?「時勢を読む基本の景気と経済」4/7

マーケティングと経済

 GNP(国民総生産)とGDP(国内総生産)の違い


Gはグロス、N はナショナル、Pはプロダクト

わかりにくいのが、GNP(国民総生産)とGDP(国内総生産)の違いでしょう、きっと。

まずは、言葉の意味から。

  • Gは、グロス(gross)= 総額
  • Pは、プロダクト(product)= 生産。大量生産品(工業製品)

生産品とはいえ、無形のサービス品(美容業、旅行業、士業etc.)も含みます。次に、

  • GNP(国民総生産)の N は、ナショナル(national)= 国「民」の
  • GDP(国内総生産)の D は、ドメスティック(Domestic)= 国「内」の

という意味。余談ですが、Domesticには「家庭内の」という意味もあるので、ドメスティックバイオレンスを和訳すると、家庭内暴力。

さて、GNPとGDPを、わかりやすく、コメ農家の殿村家に例えるとしたら、

  • GDP(殿村新潟 総生産)= 新潟の殿村家の親父さんが売ったコメの金額
  • GNP(殿村家 総生産)= 新潟の殿村家の親父さん + アメリカで独立した長男が売ったコメの金額

昔は、地球上のドコに殿村さんの一族が分散していても、

  • 殿村一家という理由で、
  • 新潟の親父さんの売上も、
  • アメリカの長男の売上も、

殿村さんチのコメの売上として合算していました。これがGNPです。

それを、1994年から、GNPではなく、GDPで成長率を測るようになった背景として、

「アメリカの長男の売上は、日本の国力に無関係だろ~」

という意見が高まり、GNP(殿村家 総生産)ではなく、GDP(殿村新潟 総生産)になったという次第(長男の売上は無関係)

なので、GDPが1%増えるということは、

  殿村の親父さんが売ったコメの金額が1%増えた(長男の売上は無関係)

    ↓

  経済成長率が1%増えた

ということになります。この「増えた」分。GDPの増減を%で表したのが、成長率です。

この「新潟の殿村」を「国内」に置き換えると、国内総生産(GDP)になります。

5/7(再来月公開)

へ続く

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