売れる商品を売れるように売るマーケティング

ケーススタディ

 

売れる商品を売れるように売るマーケティング

新しい製品や事業を作り出すか?(非メーカーの場合は)新しい商品やサービスを仕入れてるか?既存の商品やサービスを売るか?

がんばって売り込めば、多少は売れますが ← ここが、売れる!と勘違いしてしまう原因。

売り込み(プロモーション)には、人員、予算、期間、知名度、拠点、ブランド等、どうしても限界があります。

留意したいのは、マーケティング = プロモーションと誤解されている風潮が強く、売れない商品であっても、マーケティング = プロモーションすれば売れるという錯覚がは事実。

売れる商品を、売れるように売るのがマーケティングであって、売れない商品を、売ろうとするのは、マーケティングではありません。残念ながら。

よって、売る(プロモーションの)前に、売れる商品であることが大前提。

この定義を分解すると、

  1. 売れるものを作ると
  2. 売れるように売る

の二段階になりますよね?

この二段階を翻すと、

1の売れないものを作っていませんか?(メーカー以外は)仕入れて、売っていませんか?

売れないものは、何をどうしたって、売れませんよ?

「売り上げが低いのは、私達が悪いんじゃない、商品が悪いんだ」

ということです。これは、営業部の意見。

2.の売れるように、売っていますか?

売りかた次第で、売れるものが、売れなくなってしまいますよ?

「売り上げが低いのは、私達が悪いんじゃない、売り方が悪いんだ」

ということです。これは、マーケティング部の意見。

こうして、営業部 vs 商品企画部の、飽くなき企業内バトルが続きます。

実際には、商品企画部や製品開発室をまとめてマーケティングになります。

人は、自分が正しいと思っていますから自分が正しいと思っている人同士で討論します。

売れるものを作る人は、小企業の場合、社長

企業内で、売れるものを作る担当は、

A おおよそ10人前後の小企業の場合「社長」が一人で全部やらざるをえないのが現実。拙著「あの会社が元気なのには、理由がある」に書いた通りです。

B 従業員数が増えるにつれ、各種の専従班が置かれます。商品企画室、事業開発チーム、デザイン部、販促セクション等、名称は企業ごとに異なります。

それでも、まだ、社長は、売れるものを作ろうと、現場を駆け回っています。

C 従業員数が100人を超えると、複数の専従班が統合されたマーケティング部、製品開発部、技術研究部、製品研究所等の部門や関連会社に分かれます。

A~Cを従業員数で切ったのは、業界や流通に、マーケティングを特化しにくいため。

メーカー、小売、アパレル、外食、情報サービス、旅行、インターネット等によって、違いが大きいためです。

たとえば(テレビ番組等で御覧になったことがあるかも知れませんが)従業員数が1,000人を超える外食産業の新メニューを作っているのは、わずか3~4人のメニュー開発チームだったりします。

1,000名以上の企業だからといって、商品企画部があるとは限りません。

はたまた、下町ロケットの佃製作所には200人が働いていますが、社長と開発部長が現場を

駆け回っています。

一方、帝国重工の社長は、現場に出ません。現場の担当は、宇宙航空部の財前部長。

TVドラマといってしまえば、その通りですが、企業によって異なる新商品企画活動は、千差万別とはいえ、最少で、A~Cの3つに切り分けられます。

3つに切り分けることにより、マーケティングに精通しているか?どうか推測できます。

A ほとんどがマーケティングを知らないか、マーケティングをプロモーションと勘違いしています。

それはそれで構いませんが、もしも、このセグメントに当てはまる読者さんがいらっしゃいましたら、この機会に、現場のマーケティングを吸収して下さい。

本業が傾いてから、慌てて新事業に手を出し、失敗し、会社がつぶれて消えていった社長さん達の風の噂を、何件も、何年も聞いてきましたので。

マーケティングの現場は、フレームワークに当てはめるだけで上手くいくほど格好よくも甘くもありません(キッパリ)。まるで新規営業みたいなものです。


B 商品企画や事業開発の名刺を持ちながらも、マーケティングを知らない人は、

インターネットのおかげで、皆無になったと思います。

しかし、20~30年ほど前は、マーケティングを知らずに商品企画している企業

が沢山ありました。なぜなら、

「マーケティング?そんなものは必要ない。うちの業界は、特殊だから」

と正当化するため。異業界から見れば、どこの業界も、特殊なのですが、ね。

C マーケティング部がある企業で、マーケティングを知らないマーケッター(マーケティング担当者)は、基本的に、いません(会ったことがありません)

特許庁の文献の発明者欄に、氏名が掲載されているマーケターも何人が知って

います。

ただし、基本的に…とは、たとえば、営業部から転属されてきたばかりの販売

促進課(マーケティング部)に、

「マーケティングって、何のこと?」

と、どこ吹く風の(笑)課長さんがいました。

他には、東京支社へ赴任してきたマーケティング部長さんと、初めて名刺交換してから数年後の酒席上、

「あの時、マーケティング会社に知り合いができて、助かりました。大阪本社のマーケティング部には、知り合いの商品企画会社や広告代理店がありましたが、東京のマーケティング部は、新設でしたので」

と後日譚を聞かせてもらいました。

卑下すると、何でも屋、便利屋ですから。広告代理店やマーケティング会社は。

むしろ、省庁と電〇さんの関係のように「これ、どうしよう?」と気軽に相談できる、何でも屋であらねばと振り返ります。

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