インサイトマーケティング顧客十戒
お客さんが「どう思っているか」コンシューマーインサイトを書き出してみたことはありますか?
日々お客様と向き合って仕事していれば、10や20は出てきても、おかしくありませんね?
では、書きだしてみましょう。これが、お客様を洞察(インサイト)する行動です。
お客さんは、次のように思っているのではないでしょうか?
心の中で。
一.私には、選ぶ権利があります。
しかし、あなたから買う義務はありません。
二.私は満足したいのです。
満ち足りることができれば、どこの何の商品であっても構いません。
三.私は、何か得したいと思っています。
あなたに得させる目的で買おうとは思いません。
四.私は常に、あなたから買おうか、他から買おうか、迷っています。
あなたから買う理由がなければ、私は他から買います。
五.私は自動販売機から買うのではありません。人間から買うのです。
私も、お金を払う支払機ではありません、人間です。
六.金の切れ目が縁の切れ目といいます。
あなたが欲しいのは顧客なのか、売上金なのか、私は見抜きます。
七.私をだまさないで下さい。
もし、だまされたと知ったとき、私は絶対あなたを許さないでしょう。
八.あなたのことを忘れても、私を責めないで下さい。
自分と家族のことは忘れませんが、他人のことは忘れてしまいます。
九.私は人間ですから、理性と感情があります。
知らないものは警戒しますし、買っていいかどうか不安です。
十.私に24時間必要なものは、空気と健康だけです。
それ以外は、必要なときに、必要なだけあれば充分です。
(ここまで十戒づくりの本能)
以上のように、顧客のインサイトを解析していくと、次のような十戒が形づくられます。
一は「選択権」について。
汝、押し付けることなかれ。選ばせよ。選ばれれば、売れる
二は「リサーチ」について。
汝、顧客を知れ。顧客を知り、己を知れば、百戦危うからず
三は「接触」について。
汝、正しい接触の継続を怠ることなかれ
四は「強み」について。
汝、強みを伝えよ。強みなくして選ばれることなし
五は「興味」について。
汝、顧客の興味を知れ。最も興味があるのは自分なり
六は「人柄」について。
汝、価値を売れ。品物を売るべからず。品物には温もりなし
七は「コンプライアンス」について。
汝、だますことなかれ
八は「顧客心理」について。
汝、期待と恐怖を忘れるべからず。人は、期待と恐怖で動く
九は「利益」について。
汝、ゼニカネに走るべからず。顧客は現金運搬機にあらず
十は「ニーズとウォンツ」について。
汝、時と場所と場合に応じよ。のべつ幕なしにしつこいと嫌われる
ご存知のように、顧客の心を汲みとるのがマーケットイン(Market-in)マーケティングの原点です。
マーケティングに精通した方々なら、お気づきになったでしょう。どれもこれも、マーケティングに通ずることを。
それもそのはず、マーケットイン(market-in)マーケティングは、小売店やメーカー等の売る側ではなく、買う側の顧客を中心に考えるからです。
お客様の本音のインサイトマーケティング
ところが、お客様目線や顧客視点ほど難しく、それでいて簡単なものはありません。
なぜなら、それは、心理などという、ありきたりな言葉よりも先に潜む、心理の奥底に眠る、人間の本能だからです。
本能ですから、人は、相手の立場で考えるよりも、自分を中心に自然と考えます。あなたも、お客さんも。
相手の立場になって考えるのは、その対極に立つと、いきなり難しくなる反面、同じ立場に立てば、いとも容易くなります。
たとえば、ホール係には、立っている視点の高さが見えますが、一方の客席には、着席した視点から見える風景があります。
お客さまと一緒に見ているシーンは異なる
その風景は、二人の目に、まったく異なって見えます。あなたとお客さんが見ている風景は違います。
とうぜん、考えていることも異なります。
どちらの考えが正しいということではなく、お客様の考え方は、お客様のみ知っています。
ならば、あなたも着席してみることです。それが、顧客視点に立つということです。
顧客から、代金を、カツアゲすることなく(笑)、納得して頂戴し、満足して何度も買ってもらうには、顧客サイドに立つ他ありません。テレパシーがない限り。
そこで、あなたも、あなたなりの「顧客十戒」を書いてみるといいでしょう。
顧客十戒は、お客さんのコンシューマーインサイト(内なる願い。心の叫び。本音)を十行にまとめたマーケティングのエッセンス。
そこから見えてくる光景があるはず。
インサイトマーケティングは、お客様が教えてくれるというより、自分で気づくかも知れません。